電信柱のビラとおじいさん

近所を散歩してたら電信柱に毛筆で「骨董・絵画・アンティーク 閉店セール」と書かれたビラが貼ってあって、何故か惹かれるものがあったので足を運んでみた。‬

‪着いてみたらごく普通の民家のようなところで、少し緊張しつつピンポンを押したら80近くのおじいさんが迎えてくれた。‬

所狭しと並べられた物、物、物。

「もう閉めちゃうんですか?」って聞いたら、「ゆっくり時間をかけてね」って。

「僕、古い音楽が好きでレコードを見たいんですが、ありますか?」って聞いたら、ちょっとだけ珍しそうな顔でこっちを見て、

「君はクラシックとかは聞かないよね?」って言って奥の部屋に通された

そしたらそこにはクラシックや古いブルース、フォークのレコードが衣装ケースの中に入ってて。

「これは、おじいさんの私物だったものなんですか?」って聞いたら、「いやね、これは近所に住んでいた、生きていたらもう100歳くらいの大学の先生をやっていた人から譲り受けたものなんだよ」

「僕はあんまり音楽について詳しくはないんだけど、こうやって譲り受けたものがここには沢山あるね。

この前も、張り紙を見た人がやってきて、君の持ってるその小さいパソコン(iPhoneのこと!笑)でぽちぽち調べてたよ、今は調べたら値段も、何でも出るんだねぇ」

こんな感じで、あんまりおじいさんも稼ぐ気はないみたい。

(ちなみにその張り紙を見てやってきた人、詳しく聞いたら悪徳業者とかではなさそう)

「僕、実は音楽をやっているんですが、こんな風にここでレコードや、おじいさんと出会えてなんだか嬉しいです」って言ったら、

「ふふふ。そう言ってもらえたら嬉しいなぁ。こういうものは、好きな人の手に渡った方がいいもんな」

「もともとここでお店をやっていたんですか?」って聞いたら、地元はおそらく東京の人だったんだけど、なんと、

今は僕の家のすぐ裏手に住んでいて!
お店は6年前くらいからやってるらしくて。

「え! 僕も〇〇です」って言ったら、「あそこは緑も綺麗だし、静かでとてもいいところだよ」

「お子さんとかいらっしゃるんですか?」って聞いたら、
「いや、うちは夫婦2人だけ。でもね、最近奥さんが体悪くしちゃって、
僕が掃除、洗濯、介護とか全部してるの」
ってさ、、

思わず、「僕、今度お手伝いに行きます!」って言ったら、笑われた。

お店?出るときに、「近所に友達ができて嬉しいです」って言ったら、
「いやぁ、でも僕変わってるよ?」
‪って。笑‬

「大丈夫です、僕も変わってるので。笑」って返した。

最後に、音楽をやってることについてもいい言葉をもらって、

「世の中に絶対に必要な職業だから、がんばってね」だって。

とてもいい一日になった。
新しい友達との出会いに感謝。

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